Tue, August 21, 2018

航海中のピースボートから絵が届いた   by 早川 千晶


航海中のピースボートから絵が届いた   by 早川 千晶     2008年02月16日02:14


昨日はとっても嬉しいことがありました。
ただいま地球一周航海中の60回ピースボートの皆さんから、平和のバトンとしてたくさんの絵が届きました。
2月にモンバサに寄港するはずだったのを断念せざるをえなかったクルーズです。
モンバサからツンザ村、ミリティーニ村、キベラスラムも訪問する予定になっていたけど、それもキャンセルになって、
ケニア側では一同とてもガッカリしていたので、思いがけず届いた船内からの温かいメッセージ、本当に嬉しくて、涙がボロボロ出てしまいました。
年末からケニアがこんなことになってしまい、ピースボートのほうもギリギリまでなんとか訪問できるようにとがんばってくれたのですが、
何度か電話でやり取りした末、直前に、「モンバサ寄港自体、取りやめせざるをえない」という報せをもらいました。
この状態では、やむをえないとはわかっていても、本当に本当に残念で、ピースボートのグループの受け入れをとても楽しみにして
いろいろなプランを練っていたケニアの仲間たちもガックリしてしまいました。
警察や地元の自警団とも連携して、みんなが、お客さんに安全に訪問してもらい良い交流ができるようにと、
そのためにありとあらゆる手を尽くすと言って心意気もあらたにしていたところだったのでした。
ピースボートスタッフの皆さんも、乗船者の皆さんも、どれほど残念無念だったことかと思います。

なんというか、ケニア訪問予定者が次々とキャンセルし、そして、ケニアにいた外国人の人々も次々と緊急退去している状態というのは、
想像以上に、残される者たちの心を寂しく、不安にさせてしまうのだということを、今回つくづく実感しました。
今まで、ルワンダに関する映画などを見たり、住んでいた国で内戦がはじまって緊急避難した人々の話を聞いて、
そういう状況を知っているつもりでいましたが、「知っているつもり」というのと、実際に経験するのとでは、こんなに違うということを、
今回ひしひしと感じました。
今回ほんとは60回クルーズでオーバーランドツアーに参加することになっていた人々とは、昨年、日本ツアーをやったときに、
日本各地でお会いしていました。東京、大阪、神戸、福岡など、各地で、「キベラに行きます!発表当日に申し込みました!」
と声をかけてくれた人たち、一緒にやっていくことをいろいろと話し合った人たち、いろんな準備をしてくれていた人たち、
そして、普通だったらなかなかできないようなプログラムを全力尽くして一緒に作ってくれていたピースボートのスタッフの皆さん、
そんなたくさんの方々の顔が思い浮かんでは、キャンセルになったことが残念でなりませんでした。
なんだか、つながりがぶっつりと絶たれてしまったかのような疎外感がありました。

そこに、60回クルーズに乗船していたピーターバンドのジョージがケニアに帰ってきて、船の中で預かったという包みを渡してくれました。
あけてみてびっくり。
とてもたくさんの絵、そして、船内でみんなが絵を描いている様子の写真、寄せ書き、お手紙、・・・・
ケニアに寄港できなくなった船の中で、ケニアの人々のことを想って、みんなが平和を祈って絵を描いてくれたのだそうです。
そして、昨年私の講演会に来てくれた子たちが、船内で出前教室を開いて、現状を伝えてくれたのだそうです。

絵にはたくさんのメッセージが書かれていました。
キベラの子どもたちに会いに行きたかった、
今回は行くことができないけれど必ず会いに行くよ、と書いてくれた人もいました。
平和を願っていますと書いてくれた人もいました。
出航前に、福岡県の小学校の学童保育の子どもたちに会いに行ってみんなが描いてくれた絵も入っていました。
これは、56回クルーズのときにはじまった「アートバトン」というプロジェクトで、日本の子どもたちが描いた絵を、次の国に持っていって、
そこの子どもたちに渡し、その子どもたちが描いた絵を次の国に持って行き・・・そうやってバトンのように渡されていった絵を、
昨年キベラスラムにも持ってきてくれました。マゴソスクールの子どもたちも絵を描きました。
そのときのアートバトンは、最終地点の日本まで循環していったはずです。
また今回、平和を想うアートバトンが、キベラスラムの子どもたちのもとに届きました。
本当に嬉しかった。
みんなの気持ちが伝わってきました。
この、戦場のように化してしまったキベラスラムの中にいると、ケニア国内においてすら、「取り残された感」があり、
暴動・殺戮前の人生にはもう二度と戻れないのではないか、というような深々とした絶望感や不安感がありました。
でも、これらの絵は、この厳しい現実の中にいる人々に、外の世界とつながっていると実感できる希望の窓をくれたように思います。
今、自分の目の前にあるだけの世界が、この世の中のすべてではない、と思えることは、どこで生きている人々にとっても救いになると思います。
今、自分の目の前でいかに醜く悲しいことが起きているとしても、どこかで誰かが自分を見てくれている、愛や友情を届けようとしてくれていると
知ることは、暗闇の中の光のような救いになると思います。

日本で、あちこちの小中学校や高校・大学などでもアフリカのお話をしてきましたが、子どもたちから大人まで、
「キベラスラムでがんばっている子どもたちの話を聞いて、心が救われた」と言ってくれる人がたくさんいました。
本当に、人間ってお互い癒し合い助け合い救い合うことができる生き物なんだなぁと実感。
殺し合い憎しみ合うより、癒しあい手を取り合って生きるほうがどれほど幸せかしれませんよね。

世界中の海を旅している船から届いた絵は、ほんとうに優しくて温かかったです。
子どもたちにその絵を配り、みんなが一枚一枚、とっても丁寧に見て、笑って、喜んでいました。
愛ってこうして伝わるんだなぁ。
まるで、描いてくれた本人がそこにいるような気がしました。
ゴミタメのようなキベラスラムの奥にいながらにして、あの爽快な海の風に触れられたような気がしました。

みんなでひとしきり絵を見てから、またみんなで歌を歌いました。
絵の中のメッセージに、この海はみんなのいるキベラの空とつながっているよ。と書いてくれた人がいました。
そうしたら、このキベラの子どもたちの歌声は、空を通じて今ごろどこかの大きな海を航海中の船に届いたかな。

子どもたちと一緒に手拍子叩いて歌いながら、私の頭の中のスイッチがON!になったような気がした。スイッチ、入ったぜ。
こうしてこんなにケニアに来たいと思ってくれているのに、ここまで来れない人たちがいる。
それなら、私たちが会いに行けばいいじゃん!と。
今年の秋の日本ツアー、どういうテーマでやろうかなと決めかねていましたが、キベラから、歌の仲間たちと一緒に行きたい。
(もちろん、with マサヤのタイコで。)と思いました。
CD第一弾と第二弾を一緒に作り、そしていつもマゴソの活動も一緒にやっている、マシモニ・ユースグループという
アカペラでゴスペルを歌うキベラスラムの若者たち。
彼らと一緒に日本ツアーをやって、歌でメッセージを伝えながら、平和への想いを広げていけたらと思いました。(リリアンもメンバーです。)
彼らの歌は、ほとんどが、スラムの天才ジョン・オニャンゴが作詞作曲したもので、彼ら独特の見事なハーモニーで素晴らしい歌を歌います。
どの歌も、スーパーポジティブな内容で、後ろを振り返らずに前進していくこと、何があってもくじけず信じていこうというような生命力あふれる歌。
これが大人気で、彼らはあちこちのスラムや村々を歌ってまわって人々を勇気づけてきました。
メンバーは全部で13名ですが、厳選メンバーでソプラノ、アルト、テナー、ベースの4名でもバッチリです。(ちなみに、リリアンはアルトです。)
彼らと一緒に日本ツアーをやれば、歌で伝えていくことができる。そして話をしてもらうこともできる。
みんなでディスカッションをすることもできるし、キベラスラムの人々が、自分の言葉で、自分の口で、
世界に伝えていきたいことを語ってもらいたいと思いました。
彼らの歌声には本当に力があるから、日本の人々もきっととても勇気づけられることだと思います。
こうして一緒に日本ツアーできるとしたら、その前に彼らのCDを制作して持って行きたい、とか、そんなことも思いまして、
次々と頭の中がアイディアでいっぱい。
さっそく、リリアンとジョンにもこの計画を話したら、「絶対実現させたい!今から毎日、全身全霊こめて祈り続けるぞ。」とジョン。
いやー、彼らはほんとにホンキで祈りますから、これはもしや、実現するかもしれない?! ワクワクしてきました。

しかし、その前に難関が・・・・。
彼らは誰もパスポートを持っていない。
いや、パスポートはおろか、出生証明書も持っていない。のであった。
キベラの人々は、あまりに貧しいので病院で出産できない人が多く、あの崩れかけたような長屋の一室で産み落とす人が多いです。
病院で生まれた人は出生証明書を持っていますが、そうでない人は証明書がなく、自分の誕生日も知らない人が多いです。
(マゴソスクールの子どもたちも、ほとんどが自分の誕生日を知りません。)
マシモニ・ユースグループも、リリアンを含め、ただのひとりも出生証明書を持っていません。(!)
というわけで、出生証明書取得作業からはじまります。果たしてうまくいきますかどうか。
彼らはいつものように、「大丈夫、神様がきっと助けてくれるから!」と自信満々でした。

願えばかなう。
きっと実現すると思うので、自分の町にもマシモニ・ユースグループに来てもらって歌ってもらいたい!と思う人はぜひご連絡ください。
日本各地でトーク&ライブのイベントを主催してくれる人、大歓迎です。お待ちしています。
きっと日本全国の路上にも出没しますので、楽しみにしててください。

Share This :

Twitter Delicious Facebook Digg Stumbleupon Favorites More

イベント情報をいち早くお知らせできます。


Leave a Reply

*