Tue, June 19, 2018

2009年9月号(8月5日発売号)大暴動のあとの大旱魃 


大暴動のあとの大旱魃     ソトコト9月号(8月5日発売号)

どこもかしこも、畑がカラカラだ。雨期になっても、雨が降らない。雨の到来を待って畑を耕し種の植付けをしていたのに、まったく雨が降ってくれないので畑はそのまま干からびてしまった。本来ならば、ケニア中でみずみずしいトウモロコシがたわわに実っているはずの時期に、行けども行けどもカラカラの畑が続く風景を眺めるのはやるせない。

「昨年、たくさんの血が流されたからそのせいよ」と、61歳のおばちゃんが言った。ケニアでは、2007年末の大統領選挙後に混乱が生じ、大暴動になり、ケニア全土で2000人近い死者を出し、40万人もの人々が国内避難民となった。多くの家々や商店、農場が焼かれ、人々は

報復し合い奪い合い殺し合った。実はその裏では、権力争いをする政治家たちが、一般市民を扇動して混乱を生じさせたといわれている。戦いの前線に出て行ったのは、多くは鬱憤の蓄積した無職の若者たちだったし、人々が焼かれ殺されたのは貧困に苦しむエリアばかりだった。食うや食わずの貧しい彼らが、どのように武器を得たのか、そして、家々や商店や農場を焼いたガソリンはどうやって手に入れたのか。それを与えて煽った人がいたからだ、と言う人々もいる。その真相は、いまだにわかっていない。

「あんなふうに罪もない人々の血がたくさん流されたら、その翌年は必ず旱魃になるのよ。神様が怒っているから当然でしょう。さらにたくさんの人が死ぬことになるわよ」と、そのおばちゃんは真剣な顔で言う。彼女は村で一番の高学歴を有する人物で、定年まで街の国立病院で看護師をしていた。その彼女がこう言うのだから、事は本当に深刻だという気がしてくる。

今度は反対に、カラカラだった場所に突然の豪雨が降り、洪水になって多くの家が流され、人々が死んでいる。牛やヤギなどの家畜に病気が流行る。あまりにも極端だ。どうしてこんなことになってしまうのか。

その一方で、ナイロビの街は今、建設ラッシュでバブリーな雰囲気だ。観光客がこれだけを見ると、ずいぶんと景気がいいんだなとカンチガイしてしまうだろう。実際、景気がいい人々が運転する車でナイロビの街は常に大渋滞しており、これが本当に餓死者が出るほど深刻な食糧危機に見舞われている国なのかと目を疑ってしまう。こんなに突然、景気が良さそうになっている人々は、いったいどうやって儲けているのか、そこにはどんな裏があるのかと疑わずにはいられない。貧しい人々はさらに貧しく、力を得た人々の力はますます増大し、その二極化はさらにスピードをあげている。どこまで行ってしまうのか。神様は悲しみすぎて、どこかに隠れてしまうのではないかと心配だ。

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