Tue, June 19, 2018

2008年5月の近況報告です  


近況報告です。
皆さん、お元気ですか。
長らくご無沙汰していてすみません。

ケニアの近況を知りたい!と、たくさんの方々から言っていただいていたのに、
なかなか書けないでいてほんとにすみませんでした。

ひたすら黙々といろんな作業をしていたのですが
ふっと気付くと、もう5月になってしまっていましたね。

キベラのマゴソスクールも子どもたちがどんどん増えて、300人を超えました。
ミリティーニ村のジュンバ・ラ・ワトト(子どもの家)のほうも、子どもたち30人が元気に暮らしています。
暴動の後遺症は、まだまだ根が深いですが、
ケニアには平和が戻り、そして、傷跡を乗り越えるためにみんながんばっています。
あのような悪夢のような状況は、もう二度といやだと誰もが思っているのが、ひしひしと伝わってきます。

今週月曜日から、ケニア各地で、避難民の皆さんの帰還がはじまりました。
昨日、今日と、キベラにも、途方に暮れた様子の避難民の方々があふれていました。
多くの方々が、家も何もかも失った場所に帰っていかねばならず、また、帰る場所もない人々もたくさんいて、
簡単ではありませんが、それでも、生きていかねばならないですから、また生活との格闘がはじまっています。
物価の高騰がひどく、インフレ率が3月は22%、4月は26.6%だったということですが、
困難な状況下でもケニアの人々は希望を失わず、本当に生命力が強い。目を見張るようです。

キベラは現在、建設ラッシュで、焼け跡や、破壊された家々の跡に次々と建設がはじまっています。
マゴソスクールの子どもたちも、あのとき見たこと・経験したことを絵に描き、作文に書いて、
何度もディスカッションを行ってきました。
私自身、ずっと消化しきれないような思いを抱えていましたので、子どもたちと一緒にこういう作業を行うことで、
私自身も助けられ、だんだんと頭や心の中の整理がついてきたようなかんじです。

平和がいかに貴重なものかと、つくづく実感しています

平和が戻ってきたケニアの状況に心から感謝、
そして、苦しいときに励ましてくださって応援してくださって心をくだいてくださった皆さんに心から感謝です。

平和は戻ってきたけれども、人々の根底にある感情問題や、物価の高騰、
住まいや仕事を失った人々、家族や友人を失った人々など、傷は簡単に癒えるものではないし、
これからもまだ(特に貧困者の間では)苦難が続いていきそうですが、
まずは、ケニアの人々は希望を持ち続け、生きるためにがんばり続けていることをお伝えしたく思いました。

マゴソスクールでは、完全に家を失った子どもたちが39人でした。
給食はなんとしてでも続けていこうとがんばっているのですが、食材の値上がりがひどく、
できるだけ出費をおさえるためにお米ははずし、メニューを変更して、以前にも増してかなり質素な給食になってしまいましたが、
押さえに押さえても給食にかかる経費が昨年の倍になってしまいました。(人数が増えたせいでもあります。)
それでも、こんなに質素な給食なのにこんなに大喜びで食べる子どもたちを見ていると、
よ~し、がんばるぞぉ~っ、と元気が出てくるものです。
またいろいろな近況をお伝えしていきたいのですが、
まずは長らくご無沙汰したおわびと、これからもよろしくお願いしますのご挨拶でした。

いろんなことが頭の中にあって、たくさん書きたいことや伝えたいことがあるのに
、しばし硬直してしまい言葉が出なくなってしまっていました。
また少しづつ、お話させてください。

今回の経験でとても実感したことがひとつあり、
それは、人間の心や感情というのは、伝染する、ということでした。
一瞬で広がった悪夢のような狂気、
あのときの人々の表情を、忘れることはできません。
忘れてはならない、とも思っています。
先日、ケニアの写真家や外国人の写真家の方々が撮影した、暴動のときの様子の写真展を見に行きましたが、
会場においてあったサイン帳のコメント記入欄に、
「許そう。しかし、忘れまい。」
と書いていた人がいました。

先月、私はある番組の撮影で、キベラの破壊現場や、キベラの多くの人々の証言を撮影して回ったのですが、
(この番組の詳細についてはまたお知らせします)、
そのときに、子どもたちを含む多くの人々が、目の前で人々がナタで切りつけ合い、放火しあい、
狂気の沙汰になった様子などを語ってくれました。
ある青年(私が親しくしているスラムの学生)が、
「自分も武器を持ち、戦いに行った。」
とカメラの前で告白しました。
彼は、そのときの状況を詳しく話してくれて、
「自分の中で何かが爆発した」
「怒りが爆発するという経験だった」
「何も考えられなかった、武器を手にして群衆の中で叫んでいる自分がいた」
「こうすれば何かが変わるはずだ、と自分は信じたが、そのうち、何のために戦っているのかわからなくなっていた」
「それでも自分は、線路をひっぺがえす暴徒の中にいた。そして自分も狂ったように叫んで、線路を持ち上げていた」
と、淡々と語りました。
ところがある瞬間、彼は突然、はっと我に返り、周りの群衆の中に狂気を見たそうです。
「怒りは一瞬にして爆発し、そして一瞬にして伝染した」と彼は言っていました。
はっと我に返ったとき、彼は、「こんなことをしてはダメだ」と強烈に思ったそうです。
そしてそれからは、周囲の若者たちに、「もう戦うのをやめよう」と説得して回ったそうです。

「武器を持ち、戦いに行ったことを、あなたは今では後悔していますか?」
と質問したら、彼ははっきりと、「とても後悔している。」と言いました。
もしも同じことがまた起こったとしても、もう二度と、自分は戦いには行かない。そう決意している。
と彼は言いました。
たくさんの人々にインタビューして回った最後に、
彼のこの言葉を聞くことができ、私の中でも、それまで消化できずにいた様々な想いが、
やっと流れはじめたような気がしました。

そうです。伝染するんです。
だから、自分がどのような心で生きるのか、というのは、とても重要なことですね。
怒りや憎しみや狂気も伝染し、そして、平和や笑顔や愛しむ心も伝染しま

世界は不穏なニュースで溢れているし、理不尽なことだらけです。
だけど世間がどうであれ、まずは自分の心の中に確固とした中心を持ち、平和的な心で生きていきたいと、
つくづく思いました。
そしてそこから、(自分の心の中心から)、世界の平和ははじまると、信じていきたいです。

では、またいろいろなことを書いていきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。

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