Thu, June 29, 2017

ケニア軍のソマリア侵攻、ナイロビの様子


皆さん、こんにちは。
2週間ちょっと前からケニア軍がソマリアに侵攻して、アルシャバーブというテロ集団に攻撃をはじめたことについて、私のナイロビ留守中に皆さんにご心配いただき、多くの問い合わせやお見舞いメールをいただいていました。

ありがとうございます。
皆さんご心配されている方々も多いことと思いますので、ナイロビの様子などについて書きたいと思います。

これはあくまで私がナイロビのいち生活者としてのお話ですから、それ以上のものではありません。それを前置きしておきます。

日本でもニュースなどでご存知のことと思いますが、どんな経緯だったか簡単に。

ケニアとソマリアは隣国ですから国境を接しているわけですが、その国境付近の数か所で、ちょっと前から外国人が誘拐されたり殺されたりした事件がありました。
まずはラム島の北のほうにある高級リゾートで裕福なイギリス人夫妻の観光客が襲われ、ご主人は射殺され、奥さんが誘拐されたという事件がありました。

あとあと新聞で読んだところによると、ものすごく高級なプライベートリゾートみたいなロッジだったみたいですが、その日は他に宿泊客はいなかったようです。
それからあとラム島で、ラム島のことが大好きで住み着いたフランス人のもとジャーナリスト女性という方が誘拐。

その後ちょっとしてから彼女が死亡したということが報道されました。彼女は殺されたわけではなく、癌だったのだけどその薬がないと死んでしまうのでラム島の自宅から薬を届けて欲しいという連絡があったが、薬が間に合わなくて亡くなったとのことです。
それから、ケニア側のダダブ難民キャンプでスペイン人の援助関係者が誘拐。
皆さんそれぞれ、アルシャバーブによる犯行だということが発表されています。

そのようなことがあり、それ以前からももともとケニアではソマリアからのテロ集団による爆破事件があったりなど、

治安上に大きな問題をおよぼしているということで、ケニア政府はソマリア侵攻に踏み切り、ケニア国内の治安を正常に取り戻そうとしました。

するとその直後に、アルシャバーブのほうから報復の宣言があり、そのあとナイロビで2回の爆弾テロ攻撃があり、死傷者が出ています。

ケニアとソマリアが戦争に入った、というようなイメージでの報道に対して、キバキ大統領が、

「ケニアは戦争をしているわけではないのでそこのところを間違えないで欲しい」という声明を出しました。

さてそれで、ナイロビの様子についてお話します。
私が今回すごくいやだなと思っているのは、ケニアにはソマリ系のケニア国民もたくさんいるし、もともとはソマリアからの難民の方々だけど長年ケニアに住んでいてテロとはまったくなんの関わりのない一般人のソマリア人の人々もたくさんいて、その人々にむやみな反感や憎しみが一般庶民の中にじわじわと浸透させられていってしまいそうな気配。というものです。
私も、ソマリ系のお友達がいるし、私が23年前にはじめてケニアに来た頃からのお友達もいます。

下町の気のいいソマリのお姉さんたちにとても親切にしてもらってお世話になってきました。
その人たちはいま、不安な日々を送っていることと思います。ソマリア侵攻、その報復テロ、そして治安がおびやかされているとして反感が一般のソマリの人々にまでむきます。
もうほんとにそういうことはいい加減、やめにしてほしいと思うのですが、どうしてもやっぱり一番身近な人々に反感や攻撃がむかっていってしまうんですね。これがすごく悲しいです。
これがエスカレートしていくと、普通の住宅街で、ソマリ系の人々の追い出しが出てきたり、何かのときに標的にされたりなどしかねません。

ナイロビのあちこちで、セキュリティーもすごくタイトになってきました。ショッピングセンターに入るときなど荷物を調べたり、車のトランクを調べたりなどのチェックなどしています。
そんな中で、例えば私の子どもたちの話によると、私の娘、息子、マゴの学校(ナイロビ郊外にある英国システムの国際学校)では、とてもたくさんの国籍の子どもたちがいるのですが、ソマリ系の生徒さんたちに対してのセキュリティチェックを厳しくしていると、そんな話を聞いて、子どもたちにはまったくなんの罪もないのに、悲しくなりました。

金曜日に正吉さんツアーが出発するときに空港でチェックインを手伝ったのですが、そのときに、ソマリア人らしき子どもたちがたくさん渡航しようとしいているのを見ました。

ちょうど私たちの前にチェックインしていた人たちも、西洋人の女性がソマリア人の子どもたちを連れて渡航しようとしていて、国連からの書類を見せてもめていました。
せめて子どもたちだけでも安全な場所に逃がせようとしているのかなと思いました。

それと、ナイロビで2回起こった爆弾テロの犯人が逮捕され、終身刑の判決が出たのですが、その子についての詳しい話が昨日の新聞に出ていて、ものすごくびっくりしました。
普通のケニア人の若い男の子で、にこにこした笑顔で武器とかを見せている写真が新聞のトップをかざっていました。
これはナイロビ市民にとってものすごくショッキングなことだったのですが、彼はごくごく普通のケニア人一般家庭で育った、普通のケニア人の青年だったのです。
西ケニア出身ですが学校はナイロビで行き、普通にセカンダリースクールにも行き、学校のときの先生や同級生のコメントによると、普通のいい子だった、まじめだけど社交的でもあり明るいいい子だったというコメントでした。

結局ケニアの大きな問題としては、こういう、一般家庭で普通に育った若者たちも、学校を出てからあとも仕事がなく、そのせいもあってこういうテロリスト集団とかにリクルートされて、

そこに乗ってしまい、トレーニングを受けてプロのテロリストになっていってしまうケースが最近増えているということです。

なんでも、この青年は、学校時代の同級生の話によると、学生時代もまじめで、ドラッグや飲酒などの問題は一切なく、かえって、社会情勢や政治などについての議論などが好きだったということでした。

彼は2005年にイスラム教徒に改宗し、その後、ソマリアに行きそこでトレーニングを受け、今年8月にケニアに帰ってきたところであったということです。

数日前の新聞で、ケニアのユース(18歳から30代はじめくらいまでの若者たちの層)の人口比率が、40何パーセントだかなんかそういうニュースがありました。

さらにそれに子どもたちを加えると、ケニアはものすごく青年層と子ども層の人口が多い国です。
特に青年たちは、働きたくても仕事がなくて、不満うっぷんがたまっています。

こういう若者たちを狙って、次々とテロ集団や強盗団などがリクルートしていっているという話は、キベラでもよく聞いていたのですが、キベラのような貧困層の若者たちではなく、一般層の若者たちの中でもそういうケースが起きているようで、驚きました。

それについて私がつくづく思うのは、いつもマゴソOBOGクラブ(私たちの高校生チーム、45人います)との付き合いの中でも思うのですが、学校に行きたいのはやまやまではあるけど、学費の支援をして学校に行けるようにするということだけではなくて、健康的な人間性を育てたり、健康的な精神性を持って生きる人間に成長していけるような、そんなほんとの意味での導きや教育やグループワークなどがほんとに大切で必要だなということです。
私はマゴソOBOGクラブの場合、いつも、音楽活動や、絵画活動、ディスカッション、読書会などを通じて、こういう精神性を作っていくことを助けるためのお話や良い本の読書などを意識して行っていて、それが一番私にとって大事にしていることなのですが、それがすごく効果を持っていて、私たちの高校生たちはとても健康的に良い精神を持って育ってくれていると思います。
だけど彼らから学校についての話を聞くと、なかなか、一般の公立高校ではそのような情操教育などはちっともしていないと、そこにはまったく手が回っていないと思います。
ケニアは受験、受験の国になってしまっているので、勉強ができる子どもたちはどんどん出ているかもしれないんですが、ほんとは勉強以上にもっと大事なことがあるなとつくづく思います。

若者に仕事がないから問題だ、っていっても、仕事があればそれでいいかってことでもないと思います。仕事があればあったで、その仕事につけた人が自分勝手になっていくような世の中では、なんもよくならない。
やっぱり、情緒面でちゃんと豊かな導きや学びがしっかりあって、道徳や、精神性の柱になるような教育が大切だと、つくづく思うのです。

これはケニアだけじゃなくて日本でもいつも思うことです。

話がずれましたが、そんなわけでケニアとソマリアの関係ですが、
ケニアは隣国の多くの苦難をこれまで支えてきている国で、多くの難民を助けてきた国です。
それが私はケニア側の人間として誇りでもあったのですが、今回、ものすごくものすごく残念に思っているのは、このソマリアの難民の中にテロリストが潜伏していて、誰が本物の難民で誰がにせものかということが認定困難で、そのチェックもコントロールもできない、だから、ソマリア難民はみんなケニアから出て行ってください、

というような流れになってきている。これはすごく悲しいことです。
確かにテロリストがどんどん入ってこられたら困るというのはわかります。が、本当に困っている難民の人たちをしめださないで欲しい。
ケニア政府としてはコントロールできないからダダブ難民キャンプも閉鎖して、ソマリア側に難民キャンプを作るように言ったということなんですが、隣国が助けてくれなかったら難民の人たちは行き場がなくてすごくかわいそうです。
そしてもっと怖いし悲しいのは、ケニア全体的にみんながこの流れに影響を受けて、ソマリア人出て行けみたいな風潮が国民の中に漂いはじめていること、

そして、ソマリア人だけじゃなくてイスラム教徒に対しての反感につながっていってしまうということです。

ケニアはもともと平和的な精神を持った国で、いろいろな違いを越えてみんなで仲良く調和して生きていくことを一番大切にしてきた国民です。
だからキリスト教徒もイスラム教徒も仲良く。違う部族同士も仲良く。みんなで仲良く平和に生きていきたいんです。

でもこういうイメージによる憎しみや反感は悲しいです。

あ~ほんとに早く終わって欲しい。

ところで、いまケニアに行っても安全ですか?という心配のメールもいただいていましたが、
まったく心配ないですから安心してケニアに来てください。
ただ、バックパッカーの人は、ちゃんと新聞を読んだりニュースを見たりして、毎日、最新情報を確認してください。
サファリ観光客に関してはまったく問題ないです。国立公園のロッジではなんの問題もおきませんから。
バックパッカーの人たちは、ナイロビの下町の安宿に泊まることは避けたほうが安心だと思います。
それと、残念ながらいまラム島には行かないほうがよさそうです。あんなに平和な島で、本当に残念なことなのですが、バスの道中が危なかったり、国境が近いですから危険もあるかもしれません。
人出のない静かなビーチも気を付けたほうがいいと思います。人がたくさんいて賑やかならばビーチも問題ないでしょう。

こういうことがあるとすぐにケニアは危ない国だから行けないということになってしまいがちで、すごく残念です。
大丈夫ですからぜひケニアに来て、良い旅をしてくださいね。

では十分ではないですがとりあえずのご報告でした。
また質問とかあったらお知らせください。

ケニアの新聞の、デイリーネーションのHPがありますので、毎日これでニュースを見れます。
http://www.nation.co.ke/

早川千晶

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