Thu, October 18, 2018

キベラでODMサポーターと軍、警察が激しく衝突。 by 大西 匡哉


キベラでODMサポーターと軍、警察が激しく衝突。    by 大西 匡哉     2008年01月18日09:49

ライラオディンガが呼びかけた3日間の大規模なデモの2日目。今日も各地で痛ましい血が流れている。
昨日報道された映像、無抵抗な青年を警察が撃ち抜き、蹴飛ばすという警察の行為が、
非人道的だと各地に波紋を投げかけている。

無防備な民衆に対しこれだけの兵力を導入し、殺戮をおこなってまで守ろうとするキバキの大統領への執着とはいったい何なのだ?

一方、経済格差からの不満が膨らむ民衆を見方につけ、キバキの不正を絶対に許すなと民衆を煽るライラODM。
真の大統領はライラだとODMサポーターは彼を崇拝するが、それじゃぁライラが大統領になったら経済格差等の問題が解決されるのだろうか?

キバキはケニアの経済発展に貢献したとの見方もある。実際キバキ就任後のケニアの経済は右肩上がりだった。
と同時に格差も広がった。

しかし誰の目にも明らかなキバキの不正。そして殺戮。狂っているとしか思えない。

PM2:00過ぎ、 キベラのDCオフィス前でODMサポーターと警察がにらみ合い。
警察の後ろに成り行きを見つめる人々の群れ。
ODMサポーターがどんどん増えていき、投石、タイヤ燃やして挑発行為。
BBCなどの報道陣がODMサポーター側でもカメラを回している。
兵士がティアーガスを撃つ。激しい破裂音が辺りに轟く。
その間兵士たちが次々とトラックで運ばれてやってくる。総勢200人以上。
ODMの挑発が続く。兵士たちが立て続けにティアーガスを発砲。白い煙があたりを包み込む。
ODMサポーターの一人が発砲されたティアーガスを素手でつかみ、投げ返している。
一人の若者がなにやら物を引きずって歩み出て、一列に並ぶ軍隊を挑発する。
気の短い警察はすぐに頭にきて、ライフルを手に一斉に走り出る。
発砲、轟く銃声、散り散りに逃げるODM。ラインに戻る兵士たち。
しばらくすると、二股になっている道の両側から、歌いながらODMたちが戻ってくる。
「タワラケニアータワラー!ライラオディンガ!タワラケニアータワラ!」
(ケニアを統治してくれ!ライラオディンガ!ケニアを治めてくれ!)
途中偶然神戸先生と合流。
ティアガスを打ち込むGSU。轟く破裂音。白い煙が立ちこむ。
煙の向こうからODMたちが叫ぶ。
「トゥナタカティアーガス!トゥナタカティアーガス!」
(ティアーガスをもっとくれ!ティアーガスをもっとくれ!)
警察車両がODMの前に走り出る。ライフルを構え発砲。二手に分かれて逃げるODM。
警察と軍がティアーガスとAK47でODMを蹴散らす。
素手のODMが歌いながら戻ってくる。「ノーライラノーピース!ノーライラノーケニア!」
ライフルを担いだ数人の警察が、左側から身をかがめて歩み寄る。
木陰から狙いを定めて、発砲。激しく轟く銃声。必死に逃げる無防備なODMたち。
あまりにもひどすぎる。
ODMの投石で足を怪我した白人女性ジャーナリスト。頭を怪我し、倒れこむカメラマンもいた。

PM4:00 いったん神戸先生のオフィスに。
テレビで警察署の門に自らの体をチェーンでくくりつけて、キスムでの殺戮に対し抗議行動をしている男の映像が流れる。
タウンでもPM2:30過ぎから始まっている様子。

PM4:30 ウフルパークのあたりは混乱なし。デモ隊はウフルパークまでたどり着いていない。
キベラに戻ると兵士の数が減っている。ODMたちの姿が見えない。
辺りにはティアーガスとゴム弾の破片が散らばっている。実弾も混じっている。
子供たちが破片を拾い集めている。
破片を拾いあげ匂いを嗅ぐと、まだ焼けた火薬の匂いが残っている。
キベラの奥から銃声が響く。まだ終わっていない。
徒歩でマキナ方面に向かう。途中石を積み上げたロードブロック。軍の車両を止めるためだ。

道路に面したところに住んでいる、赤ん坊を背中にくくりつけたママが泣いている。
銃を手にした兵士たちが乱暴に家の中まで入ってきて男たちはどこだと聞いたという。その後家の周りで発砲。
息子が怪我をした。家のドアには銃のあとが残ってた。

マキナ、トイマーケット前。トラックと巨大な水タンクが道路を封鎖している。
辺りに白い文字でこう書かれている。
「POLICE STOP BRUTALITY INSTEAD KEEP PEACE」
「NO RAILA NO PEACE NO FOOD NO JOB」
「STOP KILLING FELLOW KENYANS」
「NO JUSTICE NO PEACE NO SHOPPING」
「KIBAKI DON’T KILL FELLOW KENYANS」
「THE PUBLIC OPINION, ECONOMY IS AT RISK & LIFE SIMPLY KENYAN TOO. GOD RESTORE PEACE.」

散発的な銃声が聞こえる中、混乱の様子を伺いながら、もう道端でとうもろこしを焼いているおばちゃんがいる。
生活していくのもほんとに命がけだ。神戸先生と半分づついただいた。

兵士の一人がティアーガスを民家に投げ込む。ちょうど風下にいて白い煙に包まれた。鼻につく強烈な匂い。
あわてて風上に避難。まだキベラの奥のほうから、乾いた銃声が響いてくる。

PM5:00過ぎ 再びDCオフィス前に戻る。タウンから徒歩でキベラに帰ってきた人々のものすごい集団がキベラに吸いこまれていく。
反対にキベラから潜入していたGUSたちが戻ってきた。

しばらくして、ODMサポーターたちが叫びながら戻ってきた。みな口々に非道な軍警察の行いを非難している。
「ポリスィワメウアワトゥ!!!」(警察に殺された!!!)
ある集団がぐったりした男を抱えてGSUの前に歩み出る。口々に何か叫んでいる。絶叫しているもの、泣いているものもいる。

GSUたちはかまわずティアーガスを打ち込む。あまりにもひどい。

タウンから仕事帰りの集団がGSUに非難を浴びせる。
「死人が出てるじゃないか!」「それでも人間か!」「俺たちは奴隷じゃねえんだ!」
そして、「俺たちはここに住んでるんだ!ここが俺たちの家だ!」といいながら、GSUにかまわずキベラに入っていった。

生々しい血の跡と、銃による穴が開いたオレンジ色のTシャツを広げた男と共に、
おなかを撃たれたママが肩を担がれながら病院に運ばれていった。あまりにも痛ましい。

これらの非人道的な行為が、今日、僕の目の前で起った。
激しい銃声がまだ耳にこびりついている。
兵士たちは、まるでゲームを楽しんでいるかのような顔で、無防備な人々に発砲していた。
中には苦い顔をしているものもいる。
神戸先生がこんなことを言っていた。
「警察の中にもODM派の連中が半分はいるんだから、複雑な心境ですよ。」

キバキが一声、「ODMのデモを許可する」といえば、こんな悲劇は起こらなかった。
ライラが一声、「今日のデモを中止する。」といえば、多くの人が傷つかずにすんだだろう。

この痛みから、ケニアはいったい何を得られるのか?何のためにこれだけの血が流れなければいけないのか?
国際社会はいったい何をしているのか?アナンはどうしてこないのだろうか?

昨日今日の殺戮でなくなった人達と、選挙以来1000人以上といわれる死者たちの、全ての魂の冥福を祈ります。

今、ケニアは大きな過ちを犯している。

 

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