Thu, October 18, 2018

3日間のデモを終えたキベラ    by 大西 匡哉


3日間のデモを終えたキベラ    by 大西 匡哉     2008年01月20日06:08

キベラに足を踏み入れると、昨日までの戦闘がうそのようだ。
路上で魚を揚げているおばちゃんや、チャパティを焼くオヤジ、走り回ったりhow are you?と声をかけてくる子供たち。
しかし足元を見るとそこかしこにティアガスの破片やバレットなどが落ちている。
人々の立ち直りの早さと前向きさに驚く。「泣き言など言ってられない、生きていくために必死なんだ。」という心の声が聞こえてくる。

今日の新聞にキバキ政権とライラODMの引っ張り合う綱の間で、首を占められている投票者たちが、イラストで掲載されていた。

キベラでは昨日だけで8人の死者を出したという。(報道では4人となっているが、メディアが全てではない。)
14歳の少女も警察の銃弾によって命を落とした。

この争いはいったい何のために起こっているのか?
いったい軍、警察は何のためにこれだけの罪のない命を奪うのか?
まったくあきれるというか、ため息しか出てこないが、そんな中でも、前向きに生きようとしている人々の姿に、逆にこちらが励まされるようだ。

マゴソは平穏。皆サバイバーの顔をしている。8人もの死者を出したことに、皆心を痛めている。
警察の行いを皆非難している。子供まで撃ち殺すなんて、あまりにもひどい。
昨日の警察の暴力のひどさが、テレビでも報道されている。家の窓やドアまでぶち破って、ODMを探し回る様は、
まるで「ネズミを追い回す猫のよう」とキベラの人々。

これだけの死者が警察の発砲でなくなっていることについて、ポリススポークスマンは「残念に思う。」などとコメントしている。
さらに、先日報道されたキスムでの殺害シーンに至っては、「CGなどの映像技術を使った巧みな偽装映像だ。」
などとコメントし、みなあきれかえっている。
殺された男の実の兄が、「映画では、実際には人は死なない。しかし自分の弟は死んだ。」とコメントした。

一昨日群集が力ずくで引っぺがした線路の現場まで歩いた。
およそ2kmにもわたって、見事にレールが足下駄ごとひっくり返され、ひん曲げられ(写真1)一部は崖下に落とされている。(写真2)
レールはウガンダまで続いていた。
ウガンダNRA兵がキバキをサポートしたことに対する、キベラの人々の抗議だという。
ODM大規模デモが各地で展開され、ケニアの軍、警察の兵力不足を補うため、屈強さで恐れられているNRAが国境を越え、
ケニア西部で人々を殺害し、Mt,エルゴン、カカメガ、ムミアス、エルドレットなどで大きな被害を出した。
ムセベニ(ウガンダ大統領)とライラは共にドイツで学んだそうだが、ムセベニは北部スーダンとのつながりが強く、
攻撃された南部スーダンにはルオ系も多くいて、ルオ人のムセベニに対する感情は良くない。
そこに、今回のキバキサポートで民衆の怒りが爆発し、2kmにもわたって線路を素手でひっくり返すという反逆にでたということだ。
もちろん中の食料はしっかり奪われた。騒ぎ以来ルオ人たちの解雇が相次ぎ、物価高騰と食糧不足で人々は餓えているのだ。

しかしこれだけの鉄の塊をひっくり返した、人々の驚異的なパワーに舌を巻いた。
テレビで見た映像では、雨の中泥だらけになりながら、群集が一世に掛け声をかけながら繋がったままのレールを持ち上げたり下げたりし
、まるで何かのお祭りのようだった。
レールに腰掛けている人々の顔もどこか誇らしげだった。

昨日最も激しい戦闘が行われ、7人の死者を出したカトゥエケラで、マゴソの8年生オドンゴと4年生レンサに会った。
2人とも元気そうだオドンゴのお父さんに話を聞くと、
「昨日はほんとにひどかった。家から一歩も外に出られなかった。でも自分も子供たちもこうしてまだ生きている。ほんとに良かった。」
と語った。

ライラは3日間のマスアクションの終了と、キクユ系商品の不買運動の呼びかけをした。
ベンジャミンムパカ氏やマイケル(マンデラ夫人)などアフリカ各国やEUなど、外部仲介者たちと双方の交渉も始まっている。
国際調停の成功を祈ります。

混乱が収まりひとまずほっとした。

新しい平和が築かれ、持続的な幸せな暮らしが、人々に訪れることを願う。

帰り道、マタトゥに乗ってカレンにつくと、ちょうどキベラの方向に虹が出ていた。

 

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