Thu, October 18, 2018

子どもたちの未来 (早川 千晶)


子どもたちの未来       2008年01月25日06:50

この写真は、2007年にマゴソスクール8年生だった子どもたちのうちの3人。KCPE受験をがんばりました。
写真1:
ジョージ(13歳)
お父さんは1997年に事故死。母は現在病気。母の兄弟姉妹も祖父母もすべて死亡している。父は一人っ子だった。
母がキベラの小さな食堂で働いてなんとか生計をたてていたが、今回の選挙後の騒ぎで、キクユ人の店主からルオ人だという理由で
解雇されてしまった。母、姉、姉の子どもとジョージとの4人暮らし。
ジョージは理系の教科が大好きで、将来は物理学者になりたいそうです!

写真2:
オドンゴ(15歳)
父は夜勤の仕事。母は魚売りをしていたけど選挙後の騒ぎで商売ができなくなり、再開できていない。
姉妹が2人、亡くなった叔父の子どもたち(弟)2人、父母とオドンゴの7人家族。妹と弟2人は全員マゴソの生徒。
将来の夢は弁護士。

写真3:
ブリジット(14歳)
父は印刷屋で働いていたが、12月31日に騒動に巻き込まれてそれ以来行方不明。マゴソ2年と5年の弟と、母とブリジット。
将来の夢はエンジニア。

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ケニアの教育制度は8・4・4(エイト・フォー・フォー)といって、小学校は8年生までです。マゴソスクールは毎年、
1学年づつだんだんと増やしていって、現在では幼稚園が3学年、小学生が8学年あり、2007年にマゴソはじめての8年生ができました。
8年生卒業時に、KCPE (Kenya Certificate of Primary Education) という全国統一試験を受験して、
その成績によってセカンダリースクールへの進学が決まります。
2007年11月に、マゴソスクールから8名、ジュンバ・ラ・ワトトから2名の、合計10名がKCPEを受験しました。
マゴソスクールは、政府に認可されていないインフォーマル・スクールで、政府からは何のサポートも受けられていない学校ですが、
試験登録料を支払えば、インフォーマル・スクールの生徒でもKCPEを受験することができます。
家庭がとても貧しく、生活環境が悪くていろんな意味でとても不利な条件にあるマゴソスクールの生徒たちですが、この受験に向けて、
先生も一丸となって本当にがんばりました。
受験生の中には、両親とも死亡してお手伝いさんとして働かされるためにキベラに連れてこられた女子(メリー)や、
ストリート生活を何度も繰り返してきた男子(ムセベニ)、両親とも死亡したあと一人暮らしをしながら勉強を続けてきた男子(キマンジ)など、
悪条件のもとでもあきらめずにがんばってきた子どもたちがいます。
そもそも、キベラのインフォーマル・スクールは、公立小学校に比べていろいろな意味でハンディがあります。
公立小学校ならば政府から先生が派遣してもらえたり教材などのサポートもあるけれども、
インフォーマルスクールには一切なんのサポートもなく、設備や教材、教師などの様々な面で不十分で、生徒にとっては本当に悪条件です。
そんな不利な条件にもめげず、子どもたちは将来に夢を持って本当にがんばってきました。
マゴソスクールの先生たちは、この子どもたちに大きな愛情を注いで、精一杯のサポートをしてきました。
受験の日は、生徒たちはものすごく緊張した顔でマゴソスクールを出発していきました。
先生たちは、そんな子どもたちをずっと励まし続けていました。

KCPEは5教科500点満点です。(英語、スワヒリ語、数学、理科、社会)。
その先のセカンダリースクールへの進学は、この試験の結果で、国立学校(National)、州立学校(Provincial)、区立学校(District) と
振り分けられていき、それに満たない場合はハランベー・スクールやデイ・スクールなどになります。
レベルの高い学校であればあるほど、設備や教育水準などの様々な面で有利な進学先となり、
その先の進学の可能性にもあきらかな差が出てきます。
学力が達していても、お金がないために進学をあきらめなければならない子どもたちもケニアにはたくさんいます。
だいたいの基準ですが、国立学校に進学できるのは350点以上、州立学校だと250点以上、区立学校だと200点以上というくらいが
目安になっていて学校がそれぞれ募集をかけて応募してきた子どもたちの中からKCPEの点数に応じて合否を出します。

今回、マゴソスクールとジュンバ・ラ・ワトトからの受験生10名は、全員が本当にすばらしくがんばりました。
その結果は、310点、303点、291点、264点、252点、248点、198点、188点、179点、172点 でした。
この結果は、点数だけで計れるものでは決してありません。
なぜなら、この全員が、これまでどれほど厳しい条件の人生を生きてきたかということは、言葉につくせないほどのものだからです。
すべての子どもたちが本当に素晴らしいと思います。

今、この子どもたち全員に、進学のチャンスを与えたいと願ってあの手この手で模索しているところです。
全員をセカンダリースクールに進学させてあげたいことはやまやまなのですが、そのための資金がありません。
名古屋の両角さんご夫妻が仲間の皆さんと立ち上げたMORO教育基金で、1名分の進学費用を提供してくださったのが
今のところの唯一の進学資金です。他に、ケニアのキリスト教団体などにも奨学金を申請したのですが、許可されませんでした。
親しくさせていただいているサイディア・フラハの荒川さんが、女子の職業訓練校(洋裁)のほうで1名を受け入れてくれると申し出てくれました。
サイディア・フラハの職業訓練校で学ぶと、国家試験を受けることもできて、そうすると縫製工場などに就職できる可能性が高くなります。
とてもありがたいので、ぜひ女子1名を受け入れてもらえるようにお願いしました。(これから子どもたちと話し合いをしていきます。)
310点~248点の男子3名+女子3名は、なんとかセカンダリースクールに進学させてあげたい。
そして198点~172点だった男子2名+女子2名は、
職業訓練校への進学を。と考えて、どうやったらその資金繰りができるかを模索しているところです。
1月中に何とかせねばなりませんが、この子どもたちが進学できることは、この子どもたちのあとに続くたくさんの子どもたちにも夢や希望を
与えてあげられることになるので、なんとかがんばりたいです。
ちなみに、男子2名は、自動車整備の職業訓練を希望しています。

それにしても、この試験の結果に、マゴソの先生たちは本当に本当に喜んで、涙を流さんばかりでした。
悪条件にもめげずにがんばったマゴソの子どもたちのことを、心から誇りに思います。
この子どもたちの未来にたくさんの幸せがありますように! 世界中の子どもたちみんなが、等しく夢を持てる世の中でありますように。

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